運動による代謝

エネルギー代謝機構は大きく分けて3つあり、代謝は同時に起こっているが、運動強度の割合により使われる代謝機構も変わる。
 
◆クレアチンリン酸系(ホスファゲン機構/無酸素)
筋細胞に蓄えられたPCr(クレアチンリン酸)が、Cr(クレアチン)とPi(リン酸)に分解する時に発生するエネルギーでADPをATPに再合成。
ごく短時間に大きな力を発揮するときに利用。最大強度では7〜8秒未満で供給が停止。なお、PCrの再合成には酸素が必要である。
速筋線維にPCrの貯蔵量が多い。
《 短距離走、重量挙げなど 》

 
◆解糖系(乳酸性機構/無酸素)
筋肉中に蓄えられているグリコーゲンを分解し、最終的に乳酸が生成する過程でATPを産生。細胞内の乳酸濃度の上昇に伴い筋肉の収縮がさまたげられるので、長時間運動には適さない。最大強度で30秒前後で枯渇。遅筋線維より速筋線維の方が解糖能力が高い。
大抵のスポーツの主要なエネルギー供給機構である。
《 中・長距離走、サッカー、ボクシングなど 》

 
◆酸化系(有酸素性機構)
グルコース・脂肪酸・アミノ酸を酸化し、ミトコンドリアにおいて大量のATPを産生。
有酸素性エネルギー代謝では、脂肪酸が主なエネルギー源として利用される。
解糖系で生成されたピルビン酸や脂質(遊離脂肪酸:FFA)から生成されたアセチルCoAはミトコンドリア内(TCA回路→呼吸鎖→酸化的リン酸化)でADPをATPに再合成。エネルギー生産が複雑なため供給が遅い。運動強度が上がりピルビン酸の処理能力が低下すると同時に乳酸が生成され蓄積。この機構は体内に十分な酸素が取り込まれている場合に発揮される。
《 ウォーキング、ジョギング、エアロビクス、トライアスロンなど 》